副業の情報をネットで探していると、「誰でも月30万円稼げる」「初心者でも1日10分で収入倍増」──こんなフレーズ、一度は見たことがあるんじゃないでしょうか。でも、ちょっと考えてみると「本当に?」と引っかかる。その違和感、たぶん正解です。

ここでは、誇大な表現を避けて法律のルールを守ることが、むしろ読者からの信頼とリピート購入につながる理由をお伝えします。副業を始めるときに知っておきたい法律の基礎も、できるだけわかりやすくまとめました。

「稼げる」と言わないメディアが選ばれる時代

副業情報の発信元は、いま本当に多様化してます。個人ブログ、SNS、YouTube、有料note──情報があふれるほど、消費者は少しずつ「誇大広告」への嗅覚を研ぎ澄ませている印象です。

消費者庁が公表している「令和6年度 景品表示法の運用状況」でも、SNSやWEB広告の不当表示に関する相談件数は増加傾向。裏を返せば、「怪しい」情報発信から距離を置く人が増えている、とも読める数字です。

こんな時代だからこそ、あえて「稼げる」と言わない。地に足のついた情報を出し続けるメディアは、読者の信頼をじわじわと積み上げられます。信頼は一過性のアクセスじゃなく、リピート購入や口コミ紹介というかたちで、あとから効いてくるものです。

副業でおさえておきたい2つの法律

副業で情報発信や商品販売をするなら、最低限理解しておきたい法律が2つあります。特定商取引法(特商法)と景品表示法(景表法)です。名前だけ聞くと難しそうですが、ポイントはシンプルです。

特定商取引法(特商法)──販売者の表示義務

特商法は、消費者トラブルを防ぐために、商品やサービスを売る事業者に対して一定の情報表示を義務づけています。副業としてデジタルコンテンツ(テンプレート、PDF、動画など)を販売する場合も、きちんと対象です。

表示が必要な主な項目は以下のとおり。

  • 事業者の名称・住所・電話番号:匿名販売を防ぎ、消費者が連絡できる状態を確保
  • 販売価格・支払方法・時期:商品の対価と支払い条件を明確に
  • 商品の引渡し時期:デジタル商品なら「購入後すぐにダウンロード可能」など
  • 返品・キャンセルに関する事項:デジタル商品は「原則返品不可」と明記するのが一般的
  • 販売数量の制限など、特別な条件:該当する場合のみ

noteやBASE、STORESなどのプラットフォームには販売者情報の設定欄が用意されてます。特商法対応をうたっているプラットフォームでも、最終的な表示責任は販売者自身。設定漏れがないか、必ず確認してください。

正直なところ、自分の場合も最初は「あとでやればいいか」と後回しにしそうになりました。でも、やっていないとあとあと面倒なことになる。最初に30分だけ時間をとって設定しておくのがおすすめです。

景品表示法(景表法)──誇大表現の禁止

景表法は、商品やサービスの品質・価格について、実際よりも著しく優良であると誤認させる表示(優良誤認表示)や、取引条件を著しく有利と誤認させる表示(有利誤認表示)を禁止しています。

副業情報で特に気をつけたい表現をいくつか。

避けたい表現

  • 「誰でも必ず月10万円稼げます」
  • 「この方法で100%収入が増えます」
  • 「購入後3日で月収30万円を達成」(証拠がない場合)

言い換えの例

  • 「筆者の場合、週5時間の取り組みで月3〜7万円の収入がありました(個人の結果です)」
  • 「購入者アンケートでは、約70%の方が収入増を実感されています」
  • 「継続的に取り組むことで、収入の増加が期待できます」

つまり、推定であることをちゃんと明示し、個人差があると正直に伝える。これが景表法の遵守と読者信頼の両立につながります。

法令遵守がビジネス上の強みになる理由

「法律を守るって、面倒な制約じゃないか」と思う方もいるかもしれません。でも、長い目で見ると、法令遵守はけっこう強力な競争優位になります。

1. 返品・クレーム対応コストが下がる

正確な商品説明と明確な返品ポリシーを示しておけば、「思ってたのと違う」というクレームは減ります。実際、特商法表記が適切な販売ページでは、表示不備を理由とした返品要求やカードのチャージバック発生率が低い傾向があるそうです。

2. リピーター獲得の土台になる

誇大表現で初回購入をとっても、期待値と実物のギャップがあればリピートにはつながりません。経済産業省の「電子商取引に関する市場調査」では、EC事業のリピート率は新規獲得コストの約5分の1で収益に貢献するというデータもあるそうです。正直な商品説明は、リピーター育成のいちばんの土台です。

3. プラットフォームからの信頼を保てる

note、BASE、STORESなどのプラットフォームは、法令違反がある販売者アカウントを停止する権利を持っています。適切な表示を続けることは、販売チャネルを失うリスクを避けることにもつながるわけです。

副業を始める前に確認したい3つのポイント

法的な準備を整えてから副業を始めるために、この3点は押さえておきましょう。

1. 勤務先の副業規定を確認する

会社員が副業をするなら、まず就業規則の確認です。副業禁止規定がある企業は、いまも一定数あります。許可制の場合は、事前申請が必須。無許可の副業が発覚すると、懲戒処分の対象になる可能性もあるので要注意です。

2. 開業届の提出を検討する

副業の収入が継続的に見込めるなら、税務署への開業届提出を考えてみてください。開業届を出すと、青色申告による所得控除(最大65万円)など税制上のメリットがあります。特商法の「事業者」としての表示も、開業届を出しておけば根拠がはっきりします。

3. 収入と経費の記録を始める

副業収入が年間20万円を超えると、確定申告が必要です。最初の月から収入と経費を記録しておけば、申告時の手間がぐっと減ります。無料の会計アプリ(freee、マネーフォワードなど)を使うのが手軽でいいと思います。

まとめ:誠実な情報発信が最長の近道

「稼げる」と言わないメディアは、短期的なアクセス数では派手な広告に負けるかもしれません。でも、特商法と景表法を正しく理解して、誠実な発信を続けること。これが読者との長期的な信頼関係を築く、いちばん確かな方法だと感じてます。

誇大表現を使わなくても、読者の課題に真摯に向き合うコンテンツは必ず支持されます。そしてその信頼が、あなたの副業を安定した収入基盤に育ててくれる。正直、近道に見える派手な手法より、こちらのほうが結果的に早いと思ってます。

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